日本TCSの人材部門のトップである谷村氏に、日本における採用強化の背景、現在進行中の組織改革について聞いた。

待遇面でも市場競争力を

谷村 佳幸 副社長 最高人事責任者CHRO(Chief Human Resources Officer)
谷村 佳幸 副社長 最高人事責任者 (兼)最高コンプライアンス責任者

――はじめに、グローバルのTCSと日本TCSの関係について教えてください。

 「TCSは世界トップクラスのITサービス企業として、確固たる地位を築いています。 49カ国でビジネスを展開し、社員数は59万人以上です(2022年4月現在)。この圧倒的な規模、そして、世界中の一流企業をITやデジタル技術で支えてきた技術力とノウハウに、日本市場に対する深い理解を組み合わせて、日本のお客さまにサービスを提供しているのが日本TCSです」

 「私たち日本TCSは、お客さまのニーズにきめ細かく応えるため、業界や技術領域に則した経験を豊富に持つメンバーを選び出し、日本とグローバルの人材を組み合わせたハイブリッドモデルで課題解決にあたります。多くの企業がIT人材の獲得に苦労するなか、異なる国々からさまざまな経験値を有するプロフェッショナルを招集し、あらゆる規模、内容の案件に対しても対応できる拡張性の高さは、日本TCSの強みの一つといえるでしょう」

 「現在、日本TCSの社員は国内約4000人、そのうち日本で生活するインド人エクスパッツ (国外からの出向社員)は約1000人です。日本で働く社員の多くが海外から来た人材という点もユニークだと思います」

 「世界水準のTCSの技術力と知識・ノウハウを日本で導入する際には、日本のお客さまの特性である品質やサービスに対する期待値の高さに応える必要があります。このニーズに応えるため、2015年、私たちはインドに日本企業専用のデリバリーセンター (JDC:Japan-centric Delivery Center) を立ち上げました。現在約4000人のメンバーが日本のビジネスを支えています」

――2014年にアイ・ティ・フロンティア(ITF)、タタ コンサルタンシー サービシズ ジャパン、日本TCSソリューションセンターの3社が統合し、現在の日本TCSとなりました。 統合の目的は、ITFの日本市場での知見や顧客対応力を活用し、競争力ある価格で全世界に展開するTCSのITサービスをより多くの日本の顧客に提供するためと伺っています。統合以降の業績、ビジネスモデルについて教えてください。

 「統合時点で3社の売り上げは合計で約615億円。現在は約660億円となっており、年々成長を続けています。日本とインドの協業による相乗効果を十二分に生かすために試行錯誤はありましたが、現在は統合によるスケールメリットを多くのお客さまにも評価いただいています。1社のお客さまの売り上げが統合前の10倍になっているところもあります」

 「著名な世界企業番付 Fortune Global 500に入る日本企業53社のうち、約30社が日本TCSのお客さまで、ほぼ全ての業界をカバーしています。最初は小規模なプロジェクトをお受けして私たちの価値を認めていただき、徐々にシェアを高めていくのが私たちのビジネスモデルです。スケールを生かした日本TCSのケイパビリティとメリットを理解し、付加価値の高い私たちのサービスを導入されるお客さまの数は増えています 」

――積極的に中途採用を行う背景は。

 「ビジネスの拡大を視野に、2021年は技術職で200人規模の中途採用を行いました。日本でお客さまと共にプロジェクトを推進するには、日本語ができ、日本の市場やビジネス慣習を理解している社員の力が国内でも重要となります。 特に近年はお客さまと一緒にアジャイルでDXを進めることが多いため、今まで以上に密な関わりが必須です。お客様のビジネスに関する洞察と共にお客さまに寄り添い、多様な要望に応え即戦力となりえる国内の中途採用は、現在も、そしてこれからも重要であると思っています」

 「中途採用は、プロジェクトによる募集、ロール (職務内容) に基づく募集、管理職など職位による募集があります。さらに未経験でも応募可能な、育成を前提としたポテンシャル採用も開始しました。現時点でテクニカルなスキルは満たないが業界知識は豊富にある人などを積極的に採用していき、入社後、一定期間トレーニングを受けることやOJTで実際のプロジェクトに入ってもらい、スキルを習得していくというものです」

 「中途採用社員の比率は40%。年齢や過去の経験にかかわらず、入社後に活躍できる舞台が整っています」

――現在進行中の組織改革では、待遇の見直しもあると聞きました。

 「自己成長を継続して追求できる組織となるために、日本TCSでは大胆な組織改革を進めています。現在の部門別組織からプロジェクトベースへの組織転換を進めることで、プロジェクトに対する社員一人ひとりのコミットメントや意識が高められるようにします。また、このような組織構成により、社員ひとり一人の評価も関わったプロジェクトの現場で決定されるようになります」

 「人材市場から見た日本TCSの人材獲得力、競争力は意識しています。成長環境、給与面でも見直しを続け、技術力や言語スキルを向上させた人にはインセンティブが出るようにします」

 「日本TCSを含む、TCSの教育プラットフォームは非常に充実しており、実際に入社すると幅広い領域、項目でトレーニングを受けることができます。自社オリジナルのコンテンツ以外にも、LinkedIn ラーニングや Udemy からも受講可能なコースがありますので、選択肢は非常に豊富です。英語で学ぶコンテンツ数のほうが多いのですが、英語に抵抗がなければ いくらでも業務に役立つスキルを学ぶことができます。一流アスリートがトレーニングを欠かさないように、日本TCSの社員には新しい情報を常にキャッチアップし 、日々鍛錬を続けてほしいと思います」

――最後に、日本TCSへの転職をお考えの方にメッセージをお願いします。

 「向上心、ダイバーシティに対する柔軟性、そして変化対応力。日本TCSに入る方にはこの三つが求められます。成長の機会はありますが、与えられるものではなく獲得するものだと思っていただきたいです。グローバルで多様性に富んだ職場環境ですので、異なる文化的背景を持つ海外の開発メンバーと同じ目標達成のために切磋琢磨する、国内でも斬新な視野を持つ様々な国籍の社員たちと積極的に意見を交わしながらプロジェクトを遂行する、といったように、他にはないような発見と成長の機会が日本TCSには存在しています。意欲のある方には最高の活躍の場を提供できると思います」

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