役割は「社会デザイン」の推進NTTデータだからこそ担える未来への重責役割は「社会デザイン」の推進NTTデータだからこそ担える未来への重責

 社会インフラの一端を担う官公庁や金融機関のITシステムには、確かな安全性と安定性が求められる。他業界に比べて大規模、かつ、ミッションクリティカルなシステムの構築・運用には高い技術力と信頼が不可欠である。
 これまで多くのシステムを手がけてきたNTTデータの歴史は古く、提供するサービスには稼働から40年近いものも珍しくない。しかし、現状にとどまらず、常に時代の先を見据えた進化を遂げており、既存システムのコアコンピテンスにデジタル技術を掛け合わせることで新しい価値を創出し続けている。官公庁や金融向けシステムの最前線で活躍する第一公共事業本部の梅原稔氏と第四金融事業本部の加藤貴也氏に、最新の動向と仕事観を語ってもらった。

デジタル化推進に向け官民連携の共創世界へ
使命は大きな社会基盤作り

加藤氏

日経転職版・編集部(以下、編集部)ITが大きなうねりとなって社会変化を促し、社会の根幹を支える役割を担うようになっています。2人はその最前線に立っているわけですが、ご自身の担当業務に関連するところでITの潮流をどのように捉えていますか。

加藤/私が担当する金融業務自動化サービス「ANSER」は、2021年に稼働から40年を迎えます。同サービスは様々なタイミングを経て進化しており、時代の一歩先を見据えながら変化を作り出してお客様に提供してきました。今では単に私たちのブランドでサービスを提供するだけではなく、多くのインターネット事業者やFinTech 事業者に「API(外部システム連携技術)」で接続し、新たなサービスを作っていく形に変わってきています。

梅原/私が在籍する第二公共事業部は主に財務省や総務省、国土交通省向けのシステムを提供しています。具体的には、税の電子申告や会計・調達に関するシステムやNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)などがあり、それぞれ国民生活・企業活動にはなくてはならないプラットフォームです。システム自体は時代のニーズに合わせてバージョンアップしていますが、ひとたびトラブルが起きると甚大な影響が出るため、安定運用が最も重要ということは、時代が変化しても変わりません。

編集部 /新型コロナウイルスの感染拡大による影響はありましたか。

梅原 /行政のデジタル化推進の必要性といった課題が見えてきました。 私たちが提供しているシステムの1つひとつは各省の業務を十分に遂行しうるレベルに達しており、個別業務は電子化に移行しています。ただ社会の全体最適化に向けては、さらに進化させていくことが問われていると感じました。

梅原氏

編集部 /ITの流れが従来の大型で堅牢なシステムの構築・運用からオープンイノベーション、デジタル化への対応へとシフトしているのでしょうか。

梅原 /金融も公共システムも非常にミッションクリティカルゆえ、大きな責任感を持ちながら提供しています。これからは今までの基幹システムとしての役割は残しながらもさらに進化させ、官公庁向け、金融向けといった縦割りのシステムではなく、官民が相互に連携していく時代へと動き出そうとしています。最新技術を使いながら業務プロセスを見直す「BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)」の手法により、全体最適化を作り上げていくことが時代の要請です。

加藤 /非常に同感です。「ANSER」はほぼ全国の金融機関にご利用いただいている社会インフラの1つですが、パソコンバンキングからインターネットバンキング、スマートフォンのアプリバンキングへと時代の変化を先取りし、進化してきています。堅牢かつ、利便性と安全性のバランスを常に追い求めながら、提供していくことが使命です。

梅原 /全体最適化に向けた具体的な事例を紹介します。ブロックチェーンを活用した貿易手続きの完全電子化です。「NACCS」によって官の手続きはほぼ電子化されていますが、民間の貿易手続き事務は膨大なペーパーワークのままというのが実情です。一気通貫のデジタル化を進めていくためには、私たちが官だけではなくて民間も含めたより大きなプラットフォームを様々なステークホルダーと一緒になって作り上げていくような、共創の世界に変わってきています。

加藤 /金融システムは一般的にはトラディショナルな領域と称されますが、ずっと同じシステムを使い続けるのではなく、常に進化し続けています。単なる技術ではなく、いかに社会インフラの中に組み込み、全体として便利で安全に使っていくかがポイントになります。

梅原氏

編集部 /「全体最適化」が次代システムのキーワードのようですね。

梅原 /そうですね。公共分野は官公庁のシステムを開発し、提供することにミッションステートメントがありました。しかし、私たちに求められるのは、それだけではなくなってきています。私が現在の部署に着任してからは、大きな社会基盤を作るという方向にミッションを切り替えました。ITインフラを作り続けてきたNTTデータだからこそできることであり、私たちは今後どのように動いていくべきかを真剣に考えなければなりません。

編集部 /大きな社会基盤を作るとはどういったことでしょうか。

梅原 /ときには金融機関など民間企業も含めた幅広い視野で考えることが必要です。官のシステムとその周辺にあるシステムをどのように組み合わせれば、最適化された仕組みができるのかを模索しています。それを実現できれば、官のシステムと民間のプラットフォームがシームレスになり、ITのパワーを最大化できる。そんな世界観を持っています。

加藤 /金融の立ち位置から見ると、官公庁の動きは非常にスピードアップしていますね。それだけに期待感は高く、所属する部内でも「金融と官のシステムを組み合わせればこういう新しい試みや組み合わせができるのではないか」という議論が始まっています。

梅原 /実は、加藤さんの部署と連携事業ができないかといった議論は結構しているんですよ。私たちの事業部では税務業務支援のパッケージソフト「達人®」を手がけています。1万7000超のユーザーを持っており、中小企業を支えています。そのチャネルと加藤さんの事業部の金融サービスのチャネルを組み合わせて、もっと良いサービスを提供できないかといった議論を始めているところです。

編集部 /全体の最適化は将来の社会をデザインすることと、言い換えてもいいのでしょうか。

梅原 /はい、ソーシャルデザイナーです。NTTデータだからこそできる、もしくはやらなければいけないことだと思っています。昔は特定の官公庁の特定のシステムを作るという形で閉じていましたが、最近は活動の幅が広がっています。特定のシステムを作るだけではなく、もっと横に幅を広げながら、様々な価値の提供があるのではという活動が成果を生み始めています。それを繰り返していくことが「Be a Social Designer」、つまり社会をデザインしていくことであり、全体最適なのです。

加藤 /私たち金融では、「Open Service Architecture」を謳っています。キーワードは「Open」です。もともと金融はそれだけで完結するのではなく、商流や物流など何らかのビジネスのアクティビティーと必ず連動しています。金融を目的にするケースは少なく、どちらかというと目的があって、そこに付随する中で金融は置き換えられます。NTTデータは業界内のリーディングカンパニーとしての立場であり、その中で公共系や法人系のシステムとも連動して新しいサービスが生まれつつあります。

加藤氏

日本のITインフラを支えてきたという
矜持こそがNTTデータに連綿と続くDNA

編集部 /ITシステムの話になると、従来型の「トラディショナル」と最新型の「デジタル」という言葉が出てきます。この2つをどのように捉えていますか。

加藤 /トラディショナルとデジタルは、二極で捉えるものではなく、トラディショナルは従前から進化を続けてきました。デジタルはトラディショナルなシステムやサービスと独立してあるわけではなくて、必ず"変化のへり"みたいな部分にトラディショナルとそこに接合するデジタルがあります。お互いに進化しながら最新のものができているのです。

梅原 /そうですね、私の感覚としても二極化されておらず、デジタルはトラディショナルの延長だと思っています。トラディショナルなシステムを常に新しいものに変化させながらどのように価値を提供していくか、トラディショナルといってもマイナスなイメージではなく、これまで進化させてきた母体に最新技術を付け加えて全体としての新たなデジタル基盤をいかに構築していくか――。昔も今のシステムも知っているNTTデータに求められているのは、そういったことではないでしょうか

編集部 /NTTデータの特徴・強みはどこにあるのでしょうか。

梅原 /信頼性やセキュリティを含めて、日本の社会基盤、ITインフラを支えてきたというプライドが私たちのDNAにはあります。そこを基盤にしながら、先ほど加藤さんが指摘された社会の一歩先を読み、全体最適化を目指してデジタルを追求していくところは、私たちだからできると思っています。NTTデータはミッションクリティカルなインフラを長年にわたり構築・運用してきましたが、中身はどんどん進化しています。大規模なシステムのため携わるメンバーはおのずと多くなりますが、1人ひとりが「どうすれば、より良いシステムを作れるか?」を考えた結果がお客様の信頼につながり、何十年もプラットフォームを提供できていることにつながっています。

加藤 /重なるところもありますが、お客様から信頼され、長期にわたってお付き合いしている官公庁や企業が多い点は当社の特徴だと気付かされます。お客様の短期的な利便性だけではなく、将来の姿をイメージして5年後、10年後に向けて必要なものを提案しています。私たちが"今"手がけているビジネスは自分たちが作ったのではなく、5年前、10年前の先輩たちが提案したものです。私は部下に「5年後、10年後のビジネスに向けて、今を頑張ろう」とよく話しているんですよ。

梅原 /同感です。将来に何を残すかが、私たちの仕事のキーワードですね。将来どうなるのかというビジョンを明確に描けなければ、組織としてやるべき業務とはいえません。将来に残していく社会基盤であるとか、NTTデータらしい事業として継いでいけるかなどが判断のポイントです。社内で議論したときに自然とそういう方向にまとまるのも、NTTデータらしさだと私は捉えています。

梅原氏/加藤氏

編集部 /単にシステムを作り上げるだけではなく、新しい価値を創出したり、プラスαの価値を生み出したりできる会社だということですね。

加藤 /システムを作ってお客様に納品して終わりということではなく、システムを使いこなしてもらい、お客様が様々な効果を実感していただくことが私たちの価値基準です。競争が激しい時代になっているので、お客様に高い効果を感じていただくことを追求し続け、常に改善をすることが必要条件だと思っています。

梅原 /まさにそうだと思います。ITのパワーはシフトしてきており、社会のITに対する考え方や求めることは時代ともに変化しています。業界をまたぐような社会全体を最適化する仕組みを構築し、コストを下げながらさらにスピード感を上げていくところに貢献しようとしているのです。

編集部 /御社はグローバルオープンイノベーションに意欲的ですね。

加藤 /当社には「OpenCanvas®」というクラウドサービスがあります。オープンでありながらも堅牢性や透明性があるクラウドサービスで、ベンチャー企業と一緒にサービスを提供しています。お互いに単純に場があればいいだけではなく、Win-Win、トリプルWinになるような関係を作り上げていく能力が、私たちのビジネスのケイパビリティとして必要になっています。

梅原 /自社だけで全部を作り上げるという世界観はあまり持っていません。私たちが持っている仕組みは使いますが、外部に有効なプラットフォームがあれば取り込んでいけばいいし、連携すればいい。他にあるものを私たちがゼロから作っても効率的ではありません。世の中にあるものをどのように組み合わせればいいのか、他社になければ、自分たちで何をどのように作ればいいのか、という目利き力が私たちには求められています。

幅広い見識と未来への構想力、そして強い意志
多様性のあるチームが次の世界を作る

梅原氏

編集部 /これからNTTデータに必要な人財像を語っていただけますか。

梅原 /物事を幅広く見ることができる方です。世の中がどのように動くのか、社内だけではなく社外にも目を向けて、世の中を見ることできる力が本当に求められています。一部分を見ているだけでは、全体最適化というゴールには絶対に到達できません。

加藤 /もう1つ追加すると、「これを成し遂げたい」という強い意思、想いがあるかどうかは大事な素養でしょう。業務に必要なコンピテンシーが欠けていても、強い気持ちがあれば補うことができます。私たちのフィールドで一緒にやっていきたいという野望を持っている方なら十分活躍できると思いますね。

梅原 /「私たちはどうなりたいのか、どうすべきか」といった構想を描ける力も重視したいです。ある時点での事業収支や開発手法はもちろん重要ですが、将来どのような成長余地があるかという構想力を大切にしたいです。そのためには、いわゆるソフトウェア開発でいうプロジェクトマネージャーではなく、事業全体に想いを持つ"プログラムマネージャー"的な思考が必要で、自分が関わっている事業=プロジェクトをどういう形に持っていきたいのかという気持ちは重要だと思います。

加藤 /プログラムマネージャーがプログラムの完成形を描くことは、理想ではありますがハードルが高いのか、いろいろなことを視点高く進められる人はそれほど多くはいません。私はいかに目線の高いチームを作るかが大切だと思っています。おそらく梅原さんも同じでしょう。それぞれが同じ価値・ベクトルで、社会のためにという価値観を持っていればいい。そのためには多様性がある組織にすることだと思います。それぞれにこだわりがあって、こだわりがぶつかり合い議論ができたり、衝突や会話が起きたりする組織が必要だと痛感しています。

編集部 /人財の多様性は多くの企業で目指すところですね。

加藤 /多様性でいえば、私の部署には1年間で約15人が中途入社しました。前職は様々で金融でも銀行や証券など業種は幅広く、仕事の進め方や考え方はいろいろです。以前からいる社員の価値観がかなり揺さぶられており、いい意味で議論が活発化しています。従来にはなかったような新アイデアや野望がいくつも生まれました。

梅原 /人財のあり方は自分が入社した当時とは変わってきていますね。例えるなら、今は様々な価値観を持つ人が集めてきた多種多様な情報を1つのテーブルの上に広げて、それを皆であれこれ議論する時代。リーダーやマネージャーの役割は変わってきており、皆の知恵をフラットに集めて判断し、プロジェクトを進めていくような形になっていくでしょう。

加藤氏

編集部 /最後に、NTTデータを転職先として考えている方にメッセージをお願いします。

梅原 /私たちは本当に将来に残る仕事を手がけています。事業継続には多様な人財が必要です。NTTデータは事業だけでなく、人財においても変化を求め続けてきました。新しい人財から新しい考えを取り込み、新しい次の社会に役立つことを手がける。これからもその姿勢は変わりません。大規模事業を手がけることも多々あり、様々なステークホルダーをまとめ、それまでにない新しいことをやっていくことは非常に大変です。なぜその奮闘ができるのか? やはり、より良いものを後世に残していくという強い想いがあるためです。当社にはいろいろな経験を持った方が活躍するチャンスが広がっています。多様性あるチームで新しい社会を作っていきたいと考えています。

加藤 /NTTデータはまさに経営資源が「人財」です。どのような方向に舵を切っていくかを決めるのは、そこにいる社員です。不確実な時代であり、答えは明確には見えません。その中で議論し、トライしてみて、軌道修正を加えながら進めていく。今の現場は試行錯誤の積み重ねです。NTTデータは元々、既存の良さを十分に理解しながら次の世界にチャレンジできる環境や組織文化があります。変化が求められる時代、熱い想いを持ち、次のビジネスにチャレンジしていく組織を一緒に作っていただける方と一緒に働きたいですね。

編集部 /今回はITが社会を支えているだけでなく、将来の社会をデザインする役割も担っていることをテーマに語っていただきました。「Be a Social Designer」「Open Service Architecture」は時代の流れを見据えた上で、NTTデータが何を目指していくべきかを表明したものと理解できました。国内トップクラスのシステムインテグレーターとしての役割は大きく、多くの期待が寄せられています。本日はどうもありがとうございました。

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