2022年4月より新しい人事制度を導入し、さらなる進化と変革を目指すNRI。社員は今後、どのような働き方ができ、どんなチャレンジが可能になり、キャリアパスを描けるのか。執行役員で人事人材開発担当の柳澤花芽さんと、IT基盤HRM部部長の遠藤恵さんにNRIでかなう働き方について話を聞きました。

――柳澤さん、遠藤さんのこれまでのキャリアパスと現在のお仕事について教えてください。

柳澤さん(以下、柳澤) 私はもともとコンサルタント出身で、2019年に人事部に異動しました。長年コンサルタントとしてお客様の改革を横から支える仕事をしていて、自身が主体者になったことがありませんでした。ただ、人事部に来てからは自社のための改革を自分が計画して、推進し、周囲を説得したり説明したりと、最後までやり切る立場になります。逆の立場になったがゆえの気づきは大きく、自分のキャリアにとっても非常に大きな経験だと思っています。やりがいも大きく、毎日が楽しいです。

柳澤 さん 執行役員 人事人材開発担当 経営企画副担当

1991年に東京大学を卒業し、NRIに入社。システム部門に配属され、業務分析などシステム開発の上流工程を経験。96年にコンサルティング部門に異動。以降、戦略コンサルタントとして幅広い業界の事業戦略、組織開発、サステナビリティ経営などのコンサルティングに従事。その間、1999年に長女を出産。2015年に経営コンサルティング部長、2019年に経営役・人事部長に就任。2021年4月より現職。

柳澤 さん

執行役員 人事人材開発担当 経営企画副担当

1991年に東京大学を卒業し、NRIに入社。システム部門に配属され、業務分析などシステム開発の上流工程を経験。96年にコンサルティング部門に異動。以降、戦略コンサルタントとして幅広い業界の事業戦略、組織開発、サステナビリティ経営などのコンサルティングに従事。その間、1999年に長女を出産。2015年に経営コンサルティング部長、2019年に経営役・人事部長に就任。2021年4月より現職。

遠藤さん(以下、遠藤) 私は現在、IT基盤HRM部で、IT基盤サービスに所属する約1500人の人材マネジメントを担当しています。具体的には、新卒・キャリア採用、人事ローテーション、人材育成、研修など。現場の社員をサポートするのが私たちの役割です。私はもともとはエンジニアで、新卒で入社してからずっとIT基盤サービスに属していますので、インフラや基盤の仕事内容は理解できますし、それが現在の仕事にも生きています。

さん DX生産革新本部 IT基盤HRM部 部長

1998年に新卒でNRIに入社。インフラエンジニアとしてネットワーク、サーバー、端末の設計、構築、運用など一連のITアーキテクト経験を積む。入社6年目に第一子を出産。その後、R&Dや社内向けの技術サポートを行う部に異動し、IT基盤サービス内に散在している技術情報をまとめて、現場のエンジニア向けに整理・提供するナレッジマネジメント活動の立ち上げなどに従事。2014年にIT基盤HRM部ができたのを機にグループマネージャ(GM)に就任。2019年から現職。

さん

DX生産革新本部 IT基盤HRM部 部長

1998年に新卒でNRIに入社。インフラエンジニアとしてネットワーク、サーバー、端末の設計、構築、運用など一連のITアーキテクト経験を積む。入社6年目に第一子を出産。その後、R&Dや社内向けの技術サポートを行う部に異動し、IT基盤サービス内に散在している技術情報をまとめて、現場のエンジニア向けに整理・提供するナレッジマネジメント活動の立ち上げなどに従事。2014年にIT基盤HRM部ができたのを機にグループマネージャ(GM)に就任。2019年から現職。

柳澤 最近、HRビジネスパートナー(HRBP)が注目されていますが、当社の場合は、本社機構に属する人事部・人材開発部と各事業部門(現場)に属するHRM部の2つの部署がHRBPの役割を分担している形です。

例えば、新入社員の最初の集合研修は人材開発部が担当しますが、その後は、配属先によって必要なスキルやケイパビリティが違うので、そこをきめ細かくやってくれるのが現場のHRM部。遠藤の部署だと、テクニカルエンジニアとして重要なスキルを身に付けるための講座を作って、小まめにやってくれています。

遠藤 本社側の全社視点と現場側の事業本部視点をかけ合わせ、お互いに相談したり調整したりしながら、人事や人材開発を行っています。サポートが手厚いですし、社員にとってはとてもいい仕組みなのではないか思います。

一方で、キャリア採用においても人事部だけでなく、現場のHRや事業本部長との面接を必ずしています。そして、仮にその人が志望していた部署とのマッチングが合わなかったとしても、そこでいきなり落としたりせず、よりその人にフィットすると思われる部署を提案して、本人が納得すればそちらのパスに進んでいただくというようなことも行っています。当社には職種がたくさんありますし、外からは見えにくい部分もあるので、応募される方も悩むと思うんです。でも、まずは自分が希望する部署に応募してくだされば、現場のHR同士の横のつながりでサポートできます。そこは、私たちもキャリア採用において意識しています。

――2022年4月から導入されるという「新人事制度」について教えてください。

柳澤 新人事制度では、社員の挑戦や自己変革をより促していきたいと考えています。

まず、一般職掌については、経験を積み、ステップを踏みながら徐々に職階が上がっていく仕組みをある程度維持しつつ、そこにいわゆる飛び級制を導入。じっくり落ち着いて物事を学んでいきたい人、どんどんチャレンジしたい人、それぞれの考えを重んじて、自らが望むペースでキャリアパスを描ける仕組みに変えています。

管理職掌については、ドラスティックに変えています。今まで当社はいわゆる職能資格制で、もちろん成果主義もかなり前から導入していますが、多くの日本企業がそうであるように、年功序列の雰囲気から抜け出しきれていないところがありました。そこを打破していくべく、4月からはミッショングレード制(役割等級制)に変更します。その人が担う役割に応じて職階・処遇が決まるという制度で、分かりやすく説明すると、管理職掌に上がったばかりの人でも、この人は課長級のポジションに付ける能力があると見なされればポンと職階が上がり、ちょっと早かった、出直そうとなるとポンと下がる。もちろん再チャレンジもできます。会社として、これにチャレンジしてほしい、この役割を担うのにふさわしいと思う人をどんどん登用していく。本人の意向も十分に聞きながら、ダイナミックに職階を動かしていきます。純粋なジョブ型ではないですが、やや近づけた形ともいえると思います。

もう一つ大きく変えたところが、キャリアパスを2方向用意したことです。

当社はかねてより、行動指針で「プロフェッショナルであれ」と謳い、人材育成においてもそこを志向してきました。ただ、同じ制度を長年運用している中で、課長や部長というポジションにつかないと、会社から評価されていないと感じさせる雰囲気ができてしまいました。でも、必ずしもみんながマネジメント志向なわけではない。そこで、組織マネジメントをする社員と同等の処遇でプロフェッショナルとして活躍する社員のための職階を設けることにしました。そのメッセージをはっきりさせたことが、新人事制度におけるもう一つの大きなポイントです。

遠藤 これは、私たちのようなエンジニアにとってはすごくいい制度だと思います。技術のプロフェッショナルが会社で目指したいキャリアは、必ずしもマネージャーではない。専門性を極めるキャリアパスがあることで、エンジニアとしての力が証明されることになる。若いエンジニアにとっては、より自らのキャリアを考えやすくなるのではないかと思います。

――柳澤さん、遠藤さんが思うNRIの自分らしい働き方が実現できるポイントとは?

柳澤 現在、出産後の女性社員の復職率は100%近くに及んでいます。2人、3人のお子さんを育てながら活躍している女性も少なくありません。こうした女性にとっての働きやすさを実現していこうという取り組みは15年前に始まっています。当時、社長発案の「NRI Women's Network(NWN)」という活動が開始されまして、現場の女性たちが定期的に集まって自由にワーキング活動を行い、年に1回、様々な提言を経営層向けに行いました。私も自身の子育て経験を活かして、メンバーとして検討に加わりましたが、このNWNの提言の多くが今では具体的な制度や仕組みとして実現しています。

遠藤 当時はまだ女性社員が少なかったのですが、自分らしく働く上で必要だと思うことや、より長く働きやすくするためにこうあってほしいと思うことなどをしっかり提言しました。そしてその声がきちんと経営側に届きました。もちろん、女性だけにやさしいということもありません。そこがいいと思います。

柳澤 当社は、じっと待っていれば誰かが守ってくれるという会社ではありません。でも、それぞれが自立していて、その時々に目指すキャリアがあって、こういう形でなら働けそうとか、ここまでは無理とか、もっとこういうチャレンジをしたいなど、迷いも含めたいい意味での個の主張は、きちんとコミュニケーションすれば必ず受け止めてくれます。そこは女性も男性も分け隔てはありません。柔軟に対応する組織です。

遠藤 ライフイベントの有無や女性に限らず、男性でもキャリアに悩むタイミングは絶対あると思います。そういう時に、必ず周りの人が相談に乗ってくれ、機会を与えてくれる。キャリアパスは様々あり、柔軟に選択できるというのが、この会社の特長です。長く働くにはとてもいい環境だと思います。

柳澤 また、NRIはきわめてフェアな風土で、プロパー入社者もキャリア入社者も評価や待遇に全く違いはありません。もともとプロパー中心で運営してきた企業ですので、全社的にはキャリア入社の方の比率はまだまだ少ないですが、実は現在の部室長や役員層を見ますと、プロパー入社者とキャリア入社者がほとんど同じ比率で登用されています。社歴を問わず重要なポジションを担うことができるということです。

NRIはサステナビリティ経営を推進していまして、企業の課題解決に留まらず、今後は、社会課題を解決し、新しい社会価値の創出にもチャレンジしようとしています。また、今や社会課題は日本に閉じた話ではないので、グローバルの展開も加速して進めていきます。未来に向けて新しいビジネスモデルを創り出していくために、キャリア入社の方々にも、経験を武器に、大いに活躍していただきたいと思っています。

NRIでは、一緒に働いてくださる仲間を募集しています。


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