エンジニアのキャリア選択において、技術力を高められること、ハイレベルな仲間と働けること、キャリアパスが幅広いことは重視される要件だろう。アバナードでは多様なプロジェクトに参加する機会や世界のトップエンジニアと協業するチャンスに恵まれ、腕を磨く機会には事欠かない。アバナードでのエンジニアの働き方、キャリアの築き方について、ソリューションエリア総括 エグゼクティブ・鈴木淳一氏に話を聞いた。

プロジェクトの蓄積から顧客の最適解を導く

アバナード株式会社 ソリューションエリア総括 エグゼクティブ 鈴木淳一氏
アバナード株式会社 ソリューションエリア総括 エグゼクティブ 鈴木淳一氏

――エンジニアとして、日本のIT市場にはどんな課題があると思いますか。

「2つの課題があると思います。1つは日本企業の事業のクラウド化、もう1つはセキュリティです」

「クラウド化の段階について、私たちアバナードはHorizon1~3というフレームワークで定めています。1段階は導入、2段階はクラウドサービスの活用を前提としたアーキテクチャー構築、3段階はクラウドを利用した事業創出や組織の再編成です。海外では2や3に移行しはじめていますが、日本では1か2に留まっています。これからいかに上の段階へスピード感を持って進められるか、クラウドありきのアーキテクチャーやアプリケーションを日本に根づかせられるか。そこが日本のITに足りない点であり私たちが注力しているところです」

「セキュリティについては、コロナ禍以降、在宅勤務が浸透し、エンジニアがリモートで安全に業務を行うことが必要になりました。ソフトウエア開発においても、近年、システムの開発と運用を一体で進めるDevOps(デブオプス)という開発手法が注目されていますが、私たちはそれにセキュリティの確保も加え、DevSecOps(デブセクオプス)を推進しています。ただし顧客企業の規則に阻まれることも多いため、理解を促すことが急務です」

――ITサービス企業が多数ある中で、アバナードの強さはどんな点にありますか。

「まず、マイクロソフトのソリューションに関して、アバナードは名実ともに世界最大の組織であり、エキスパート集団であると言えます。グローバル5万人がプロジェクトに従事し、世界中から知見が集まり、それが日本に伝わる。私たちもフィードバックし、それがまたグローバルに共有される。このような良いループが組織の中にあります」

「日本企業のお客様が課題を感じているとき、そこには理想があり、理想と自分の現状とのギャップを課題と認識されています。アバナードにはプロジェクトの理想形の蓄積があり、日本のメンバーがそのお客様向けに最適化することができます。また、課題の解決策を求めると、解を持っている人にたどり着くこともできるのです。お客様の中には、自分たちの理想の姿が見えていない方も少なくありません。お客様と課題を共に認識し、理想の姿を見つけていくことができる。それが私たちの強みの一つだと思います」

アバナード株式会社 ソリューションエリア総括 エグゼクティブ 鈴木淳一氏
アバナード株式会社 ソリューションエリア総括 エグゼクティブ 鈴木淳一氏

アバナードでできる仕事は広範囲におよぶ

アバナード株式会社 ソリューションエリア総括 エグゼクティブ 鈴木淳一氏

――アバナードで手掛けるプロジェクトにはどんなものがありますか。

「大きく分けて、アクセンチュアと協業するプロジェクトと直接契約のプロジェクトがあります。アクセンチュアとの協業では、数十〜数百億円の大規模プロジェクトの上流工程から入ることが多く、要件定義から運用保守まで行います。直接契約は数千万円〜十数億円規模と幅広く、さらに仕事内容も企画・構想から関わるケースもあり多様です。企画・構想は技術をどう活用するかというアドバイザリーワークも含むため、社内のアドバイザリーチームの協力を得たり、上級エンジニアが対応したりします」

「仕事内容としては、クラウド移行といったインフラエンジニアの仕事もあれば、アプリケーションアーキテクチャの再構築などのソフトウエアエンジニアの仕事、データプラットフォームの構築、また、最近はローコードを使った開発や、企業のリモートワークに対応したMicrosoft Teamsの導入・活用支援のニーズも高いです。ERP(統合基幹業務システム)、CRM(顧客情報管理)の製品であるMicrosoft Dynamics 365の展開もあります」

「このようにアバナードの業務は非常に多岐にわたり、IT業界でやっている仕事は私たちもほぼ全て手掛けていると言えるでしょう。転職者の方のこれまでのキャリアを生かせる機会は多いと思います。また、大・中~小規模どちらのプロジェクトにも参加する機会があるため、エンジニアとして技術、プロジェクト遂行、チーム構築など、さまざまな面で経験を積むことができます。両者を体験できることはエンジニアのキャリア構築で必要なことだと思います。どちらが好きで、どちらに進むのかは後から決めればいいんです」

「アクセンチュアと協業することは多いですが、決して下請けの関係ではありません。各ポジションで適材適所を図っており、例えばアバナードのメンバーの下にアクセンチュアのメンバーが就いたり、私たちの直接契約の仕事にアクセンチュアのメンバーに入ってもらったりすることもあります」

――マイクロソフト、アクセンチュアとの違い、それぞれの強みは。

「それぞれに役割分担があります。マイクロソフトは自分たちの製品を熟知しており、アクセンチュアはビジネス分析に長けています。そして、どのビジネス領域にどの製品をどう組み合わせることがベストかを知っているのがアバナードです。それこそがソリューションであり、私たちの強みです。三社は非常に良いパートナーシップを築けていると思います」

アバナード株式会社 ソリューションエリア総括 エグゼクティブ 鈴木淳一氏

キャリアの積み上げ、路線変更も自由自在

アバナード株式会社 ソリューションエリア総括 エグゼクティブ 鈴木淳一氏

――アバナードでのエンジニアの働き方、キャリア構築について教えてください。

「私たちは事業部制ではなく、プロジェクト制の組織です。プロジェクトマネジャーが必要なメンバーを集めてチームを作り、プロジェクトが完了すればチームは解散、新しいプロジェクトに参加する、というのが基本的な働き方になります」

「キャリア選択は基本的に本人の意思で決まります。ただ、自分の2、3年先を行く先輩社員がキャリアアドバイザーとしてつき、また進行中のプロジェクトに関する相談はプロジェクトマネジャーが対応します。上司が常に2人いるような感じで、それぞれから意見を聞き、最終決定は本人にしていただきます。会社主導による人事異動は、ほぼありません」

「エンジニアのキャリア構築には、専門領域の選択と、マネジメントかスペシャリストかの選択の二軸があります。領域は、例えばMicrosoft Azureのインフラを極めたいとか、ソフトウエア開発の中でもフロントエンドの仕組みを作るエンジニアになりたいといったもので、自分で選択し、社内組織『タレント コミュニティー』でそれぞれの知識や経験を積んでいきます」

「プロジェクトなどで活躍し評価されると、職位がアナリスト、コンサルタント、マネジャー、ディレクター、エグゼクティブと上がっていき、だんだん自分で開発するよりチームマネジメントを担うことになります。高い技術力を持つ人材がいてもチームとして機能しないと、パフォーマンスは最大化しません。私たちは技術を売りにしていますが、チームマネジメントも非常に重視しています」

「一方で、技術を極めたい人のためにテクニカル リーダーシップというキャリアパスもあります。素晴らしいスキルを持つ人、講演活動などでインフルエンサーのような影響力を持った人なども評価し、一技術者としてキャリアを全うすることも可能です。こちらの職位はグループマネジャー、ディレクター、エグゼクティブと推移します」

――アバナード日本法人でエンジニアとして働くメリットを教えてください。

「すごい人と働きたいという気持ちがエンジニアにはあると思いますが、アバナードなら国内、海外のトップクラスのエンジニアと一緒に働くことができます。また、キャリアパスが豊富で、UI/UXデザイナーやビジネスコンサルタントなどへの道もあり、選択後にエンジニアに戻ることも可能です。普通なら転職しなければできないようなキャリア転換を社内で試すことができるのは、なかなか無い利点だと思います」

――今、特に応募してほしい領域のエンジニアは。

「特に不足しているのはクラウドとERPです。Amazon Web Services ができる方でMicrosoft Azureも使えるようになりたい、将来はGoogle Cloud Platformも使えるようになりたい、そんな方を歓迎します。ERPについては国内製品の経験者、会計業務の知識のある方は対応できると思います。トレーニング制度もあり、技術のキャッチアップの機会は豊富にあります」

――ご自身はテクノロジーでどんな社会を実現させたいですか。

「テクノロジーを使ってなるべく平等、公平な社会を実現したいです。今の社会は、テクノロジーを知る人はその恩恵を受けられていますが、知らない人はそのまま。先にも話したように、理想形を描けない人も多く、テクノロジーの活用法をもっと伝える必要があると思います。例えば、AI(人工知能)は大企業が扱うものというイメージがあるかもしれませんが、AIはローコードでも使え、必ずしも高度な技術や莫大な資金が必要なわけではありません。それを知らない方はまだ多い。テクノロジーを使う機会が平等に提供されれば、さらに多くの人が幸せになれると思います」

アバナード株式会社 ソリューションエリア総括 エグゼクティブ 鈴木淳一氏
Inside Watch

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マイクロソフト色に特化するのもキャリア戦略

エンジニア経験もある鈴木氏にあえて、「エンジニアは自分にベンダーの色がつくことを嫌う傾向があるが、貴社でマイクロソフト技術に特化することについてどう考えるか」と質問した。すると、「マイクロソフト技術のことなら○○に聞け、と言われるようになるよう知識・技術を身に付けていけば、エンジニアとして希少性が生まれて際立った存在になれる。マイクロソフト色に染まることを恐れる必要は全くない。また、そのレベルに達すれば、他技術の応用はいくらでも可能」という答えが返ってきた。マイクロソフトに振り切ることで独自性を持つことも、一つのキャリア戦略といえる。エンジニア出身者ならではの端的なアドバイスに耳を傾けてはどうだろう。

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