JTBが「デジタル総合職」 IT人材を継続的に別枠採用

28年度に非旅行の利益、全体の5割に

「旅行の売上高を落とさず、旅行以外も高めていく」と話すJTBの山北栄二郎社長
「旅行の売上高を落とさず、旅行以外も高めていく」と話すJTBの山北栄二郎社長

JTBはIT(情報技術)人材を一般枠とは別に「デジタル総合職」として継続的に採用する。同社は観光地のITプラットフォームの構築や、企業の業務改善コンサルティングなどの新事業を育成する方針を掲げている。新事業に必要なIT人材の基盤を厚くし、今期業績で全体の4割弱を見込む非旅行事業の利益の割合を2029年3月期に5割まで高める。

山北栄二郎社長が日本経済新聞の取材で明らかにした。2年ぶりに新卒採用を実施する23年春入社ではグループ全体で300人規模の採用を予定し、そのうちデジタル総合職は「若干名」(山北氏)となる。人工知能(AI)開発やウェブマーケティングなど様々なスキルを持つIT人材を募集。入社後はIT関連の分野でキャリアを歩むことになる。待遇面は総合職と大きく変わらない。

JTBは観光地のデジタルトランスフォーメーション(DX)化支援を成長分野と位置づける。6月にはセールスフォース・ジャパン(東京・千代田)、九州観光機構(福岡市)と共同で、JTBや機構が持つデータを分析し、地域の集客力を高める取り組みを発表した。

さらにはITを使って企業に環境負荷の低い出張方法を分析・提案する事業などにも注力。企業の数年分の出張履歴を分析し、かかった経費や二酸化炭素排出量なども計算する。6月からサービスを開始し、今期は30社との契約締結を目指している。ウエアラブル端末を使った出張時の健康管理など機能強化も進める考えで、こうした新事業にIT人材を配置する。

コロナ禍の旅行需要の蒸発を受けて前期までに国内店舗を145店閉じて330店舗程度にしたほか、海外の営業拠点は447拠点を190拠点まで縮小。全従業員数は8000人減の約2万人程度になった。山北氏はコスト構造改革にメドがついたとの認識を示し、「今期からは新規出店もある」(山北氏)とし、移動型などの新業態も検討するという。

JTBは中計最終年度の29年3月期に連結営業利益を450億円規模と今期見通しの7倍に増やす方針を掲げている。今期は売上総利益ベースで旅行と非旅行の割合は6対4だが、29年3月期には5対5にする目標だ。山北氏は「旅行を捨てることはない」とも強調し、「旅行の売上高を落とさずに、それ以外の比率を高める」と話した。

[日経電子版 2022年07月01日 掲載]

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