NTTが原則テレワーク 人材確保に危機感、働き方見直し

NTTの改革が加速している
NTTの改革が加速している

NTTが取り組む働き方や人事制度の改革が加速している。転勤や単身赴任の廃止を打ち出しただけでなく、管理職を対象に職務内容を明確にして成果で評価する「ジョブ型」制度も導入した。国内だけで18万人を抱える大企業が抜本的な見直しを急ぐ背景には、米国のGAFAなどIT(情報技術)大手に人材を奪われているという危機感がある。

「ワーク・イン・ライフを実現していく」。NTTの澤田純社長は2021年9月の記者会見で今後目指す働き方の方向性についてこう強調した。仕事を人生の一部と捉えて働き方を自由に選ぶという考え方だ。今回導入する全国どこでも自由に居住して勤務できる制度は、ワーク・イン・ライフの実現に向けた看板施策になる。

働き方改革を加速するのは人材獲得競争が激しさを増していることも背景にある。デジタル化の加速に伴いエンジニアを中心としたIT産業の人手不足感は強い。特にここ数年は米グーグルなど米IT大手への人材流出が増えている。グローバルの人材獲得競争で存在感を示すには働き方を巡る会社としての姿勢を明確に打ち出すことが欠かせなくなっている。

新型コロナウイルス禍でテレワークなどオフィスへの出社を前提としない働き方も社会に広く浸透した。転職サイト大手のビズリーチ(東京・渋谷)によると、22年1~3月の「勤務地を問わない新規求人数」はコロナ前の19年10~12月比で11倍になった。

NTTグループのある幹部は「働き方の価値観が一変し人材獲得が難しくなっている。選ばれる企業に変わらなければならない」と話す。働き手の意識の変化に対応する必要にも迫られていた。

テレワークは柔軟な働き方につながる一方、社内のコミュニケーション不足につながるといったデメリットがあるとも指摘される。こうした課題を解決するため、多くの企業は出社を再開しテレワークを組み合わせたハイブリッド型の働き方を採用している。原則テレワークとするNTTがコミュニケーションなどの課題にどう対応するか問われる。

NTTは将来的にはテレワークを原則とする働き方をグループ全体に広げる方針だ。社員の半分を占める技術系は、ネットワークの保守管理など実際に現場に行かなければ解決できない仕事も多い。社会機能の維持に必要な働き手の働き方の自由度をどう高めるかは、同社ならではの今後の課題になる。

[日経電子版 2022年06月18日 掲載]

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