
「働き方innovation 生産性上がっていますか」ーー。積水ハウスが気兼ねなく意見をぶつけ合える関係づくりに力を入れている。生産性が高い組織に共通するといわれる「心理的安全性」を確保し、社員自身がキャリア目標をどう達成していくかを上司がフラットな立場で聞く機会を設けた。部門を超えて事業アイデアを練り上げるアプリも用意。社員の挑戦意欲も高まりつつある。
投稿プラットフォーム「COMEMO」で心理的安全性を確保するにはどうしたらよいか意見募集したところ、リーダーの果たす役割が大きいとの投稿が多く集まった。

社会人生活が16年目に入ったという小島雄一郎さんは、会議ではたいてい最年長の立場で、若手の「心理的安全性」を確保する側になるそうだ。所属する若者研究の会議では、年々わからないコンテンツが増えているが、いちいち聞くという。「若い人の方が流行に関する知識に詳しいのは当たり前。同じように、ビジネスに関する知識はベテランの方が詳しい」。小島さんはビジネスの話をしつつ、若手から流行の話を聞く。ある意味、フラットな関係だと指摘する。
堀田陽平さんは、管理職などのポストにいるマネジャーが果たす役割に期待を寄せる。堀田さんは日本のマネジャー層は、いわゆるプレイングマネジャーであることが多く「ビジネス上の業務に忙殺され部下と密なコミュニケーションをとって信頼関係を醸成する余裕がなく、本来的な意味でのマネジャーとしての役割を果たすことが難しい」と指摘。マネジャー層の負担を解放するには、経営者が心理的安全性の確保を経営課題として捉え、その確保を主導していくことが重要であると主張していた。
[日経電子版 2022年04月18日 掲載]