教育投資、若齢企業ほど効果大 自己啓発で年収増も

解読 ミニ経済白書

教育訓練の重要性が高まっている
教育訓練の重要性が高まっている

企業がIT(情報技術)化やデジタル化を急ぐなか、従業員の能力を高める教育投資が重要になっている。内閣府の「日本経済2021-2022」(ミニ白書)はスタートアップなど若い企業ほど、教育訓練投資で高い効果を上げていると分析した。目的を明確にした教育で、従業員が習得した能力を生かせる新技術を積極的に取り入れているためだ。

内閣府はIT関連の学習や専門的な資格の取得など、企業が従業員に行う教育投資の効果について社歴別に調べた。創業から27年前後の「若齢グループ」の企業は教育訓練投資を1%増やすと労働生産性が0.028%高まった。50年前後の「中齢グループ」は0.01%、70年前後の老舗企業を示す「高齢グループ」は0.007%の上昇にとどまった。

ソフトウエアへの投資についても、1%の投資増に対する生産性の上昇率は若齢グループが高かった。若齢は0.019%で、高齢は半分以下の0.008%だった。ミニ白書は「新規技術を取り込みながらイノベーションを起こす潜在能力が高いスタートアップ企業の存在は、ますます重要になる」と分析する。

企業で教育訓練を受けた従業員の割合は経済協力開発機構(OECD)各国と比べると日本は低く、訓練の普及が欠かせない。人材投資とともにソフトウエアへの投資も増やせばより生産性を押し上げるため、ソフトとハード両面への投資が重要であるとも指摘した。

従業員らの自主的な啓発活動は年収の増加につながっている。内閣府が過去1年間に語学や業務改善につながる学習、資格取得をした人の年収を調べたところ、学習をしなかった人に比べて30万~40万円ほど高かった。正規雇用で44万円、非正規雇用で29万円の差があった。

21年に自己啓発に取り組んだ人の割合は平均35.2%だった。職種別にみると役員が43%と最も高く正規雇用(39.6%)が続いた。生産性向上には企業はもちろん、従業員個人の意識改革も求められている。

[日経電子版 2022年02月14日 掲載]

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