「未経験OK」の転職求人増加 コロナ前より多く

新型コロナウイルス禍からの経済再開に向けた人材確保の動きを受け、国内の転職市場で「未経験でもOK」の求人が回復している。人材紹介大手パーソルキャリア(東京・千代田)によると、職種未経験でも採用対象にする求人件数がコロナ禍の直前を超える水準になってきた。技術職などを中心に人材の不足感が強まっている。

同社の転職サービス「doda(デューダ)」の掲載案件をまとめた。職種未経験でも対応する求人は、2021年11月に20年1月比3%増とコロナ前を超え、22年1月は同11%増だった。IT(情報技術)系はシステムインテグレーターを中心に未経験対応の求人が増加。電気や機械系の技術者は、自動車の生産復調により開発やテストなどの受託企業や派遣会社から未経験者のニーズが戻った。

未経験対応の求人は20年5月に同43%減り、求人件数全体(同25%減)を上回る減少率となった。

企業は未経験で採用して育成する道を絞り、デジタルトランスフォーメーション(DX)や事業変革への対応で即戦力となる経験者を採用する傾向が強まった。

足元は管理部門の人事職なども未経験対応が伸びている。喜多恭子doda編集長は「経験者は働き方改革の制度設計などに携わり、採用といった既存業務で未経験者を受け入れている」と話す。

転職市場のデータを巡ってはパーソルキャリアがこのほど、毎月発表していた中途採用求人倍率(求人数を転職希望者数で割った数値)について19年4月~21年7月の数値を修正した。集計方法に誤りがあったとして21年7月分で公表を止め、精査していた。

[日経電子版 2022年02月04日 掲載]

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