
スイスの人材派遣大手アデコグループ傘下でエンジニア派遣を手掛けるModis(モディス、東京・港)は、2025年までに20万人をリスキリング(学び直し)などでデジタル人材に育てる。日本マイクロソフト(東京・港)と連携し、アデコの国内派遣社員や同社の取引先企業の社員らを対象に、業務改善に向けたソフト開発やクラウドの技術者を養成し、企業のデジタル改革を支える。
アデコの派遣社員については、22年春以降にオンラインの学習基盤を整備し、学習者が希望するキャリアに合わせて教育をおこなう。与えられたひな型を活用し、最小限のプログラミングスキルがあればソフトを開発できる「ローコード」などの開発手法をこなせる人材を育てる。アデコやモディスと取引のある企業の社員や自治体職員らも対象とする。
リスキリングの教材はマイクロソフト側が提供する。モディスは未経験からのエンジニア育成や技術者のコンサルティング能力訓練に取り組んでおり、教育研修のノウハウを生かす。日本マイクロソフト側も、デジタルトランスフォーメーション(DX)人材の養成を望む企業に対して、モディス側の教育プログラムを紹介できる。
総務省の21年の調査では国内企業の53%がDXを進める課題として「人材不足」を挙げた。日本ではDXに精通した人材はIT(情報技術)企業などに偏っているのが現状で、外部人材を起用するだけでなく社内の人材育成も求められている。モディスと日本マイクロソフトはこうした企業の需要を取り込み、デジタル化を支援する。
[日経電子版 2022年01月20日 掲載]