GMO、新卒採用は高度人材のみ 初年度の年収710万円

新卒採用者をエンジニアや統計の専門人材、経営者候補などに絞る
新卒採用者をエンジニアや統計の専門人材、経営者候補などに絞る

GMOインターネットグループは2023年度から、新卒採用者をエンジニアや統計の専門人材、経営者候補などに絞る方針を決めた。初年度の年収は710万円とし、採用人数の目標は設けない。新型コロナウイルス禍でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進み、生産性が向上している分を人材投資にまわすことで採用の競争力を高める。

GMOグループ8社が23年度の新卒採用からはじめる。エンジニアやクリエーター、データサイエンティストなどのデジタル人材に加え、公認会計士や弁護士など資格保有者、将来の経営幹部候補などを対象とする。GMOグループの採用における新卒の割合は例年2~3割(約100人)だが、採用には高い基準を設けるため23年以降は大きく減る可能性もある。減った分は生産性の向上や中途採用などで補う。

新卒社員の年収は2年目まで710万円を保証する。3年目以降は再評価の上で報酬を決める。エイチーム系が運営する就活情報サイト「キャリアピックス」の推計値によれば、日本の新卒社員の平均年収は250万円程度だ。

専門人材の確保をめぐっては、三菱UFJ銀行や、くら寿司が新卒の一部を対象に1000万円程度の年収を用意する動きがある。ただ同期入社の社員の間に年収格差が生まれることなどへの懸念もあった。

GMOグループは上場10社を中心にIT(情報技術)や決済、広告などインターネット関連の事業を幅広く手掛ける。定型作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入や、在宅勤務の実施によるオフィス費用の削減などで生産性が向上している。営業利益率ベースで18%を超過した利益は人材投資に充てる方針も定め、平均給与の水準を業界で首位とすることを目指す。

[日経電子版 2021年12月08日 掲載]

ピックアップ

注目企業

転職成功アンケートご協力のお願い
日経転職版を通じて転職が決まった方に、アンケートのご協力をお願いいたします。