
武田薬品工業は管理部門の一部で希望退職の募集を始めた。42歳以上で勤続3年以上などの条件を満たした人が対象で、募集人数の上限は設けない。武田は研究や営業部門で大規模なリストラを実施してきた。間接部門でもリストラを通じてコスト効率を高める。
募集対象は日本で財務や原材料の調達部門の支援業務を担当する部署。100人以上が在籍しているとみられる。退職日は12月末の予定だ。従来の退職金に加えて、特別加算退職金も支給する。既に希望する社員の面接を始めた。
管理部門をデジタル技術やデータを駆使した専門性の高い機能を担う組織へ転換する。従業員にスキルの学び直しを促すと同時に、キャリアを見直す機会として退職プログラムを提供する。
武田は近年、大規模な構造改革を実施してきた。神奈川県藤沢市の研究拠点で人員削減を実施したほか、2020年には国内で30歳以上の医薬情報担当者(MR)を中心に希望退職を募集した。アイルランド製薬大手シャイアーの買収後に実施した事業売却などの影響もあり、21年3月末時点の従業員数は19年3月末から2500人減の4万7000人まで減っている。
[日経電子版 2021年12月10日 掲載]