採用の判断基準に変化も

ビズリーチ社長 多田洋祐氏

ただ・ようすけ エグゼクティブ層向けのヘッドハンティング会社を創業。2012年ビズリーチ入社。20年2月から現職
ただ・ようすけ エグゼクティブ層向けのヘッドハンティング会社を創業。2012年ビズリーチ入社。20年2月から現職

就職活動する学生に対して、企業に勤める大学のOB・OGをオンラインで紹介する「ビズリーチ・キャンパス」という事業を手掛けている。9万人以上の学生が登録するが、2022年春卒業予定の学生のOB・OG訪問の依頼件数は、21年春卒の学生に比べて約2倍になった。コロナ下で就活のオンライン化が進み、移動効率が高まったこともあるが、就職に熱意を持って取り組む学生が増えたことが大きい。

企業の採用意欲はおしなべて旺盛だ。08年のリーマン・ショック後などに比べても有効求人倍率は高い。就活環境は悪くはないが、大企業の早期退職の募集や年功型賃金の見直しなどのニュースが相次ぎ、将来のキャリアを真剣に考える傾向が強まっている。

ビズリーチの20代向け転職サイト「キャリトレ」でも、未経験の職種に挑戦しようとする人が増えていることが、検索傾向などから読み取れる。コロナ禍を経験した若者の意識は、求人が減って主体的に考えることを迫られた氷河期世代と似ており、たくましさを感じる。雇用慣行や企業経営のあり方が変わるなか、専門性を磨き、市場価値を高めることが重要になっている。コロナ下の若者たちは学生時代からそのことを意識し、考える機会を与えられたともいえる。

企業の採用の姿勢も変わった。従来、最も定番だった質問は「学生時代に一番力を入れたこと」だった。だがコロナ下の外出自粛などで大学に行く機会も減り、多くの学生がサークル活動などができなくなった。学生の体験のバリエーションが乏しくなるなか、自分の過去の経験を分析する「内省力」や、会社で何をやりたいかなどを探ろうとする企業が増えている。

日本の就活は期間が短い。就活時期になってからではなく、普段からキャリアを自覚して考えることが大切だ。学生の間ではOB・OG訪問が参考になるとの声が強い。学生がキャリアの選択肢を広げられるよう、今後も全国の大学と連携して、OB・OGとの出会いの場をつくることに力を入れていきたい。

(聞き手は雇用エディター 松井基一)

[日経電子版 2021年11月29日 掲載]

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