離職者、就職者を9年ぶり上回る 20年厚労省調査

コロナ禍で離職者、入職者ともに減少した
コロナ禍で離職者、入職者ともに減少した

厚生労働省は31日、2020年の雇用動向調査を発表した。退職や転職で職を離れた離職者の数は727万人で、新たに就職した入職者数(710万人)を9年ぶりに上回った。離職者の数は前年から減少したものの、入職者数の減少幅がさらに大きくなった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、労働移動自体が停滞している。

離職者が働く人全体に占める割合(離職率)は14.2%、入職者の割合(入職率)は13.9%だった。離職率は1996年、入職率は98年以来の低水準だった。特に入職者は19年から130万人以上減った。

就業形態別では一般労働者は入職者数も離職者数も390万人程度とほぼ同数だった一方、パートタイム労働者は離職者が約330万人で入職者を約15万人上回った。離職時に転職せず新たな仕事に就かなかった人が一定数いたことを示す。

離職の理由別にみると、出産や介護など個人的理由による離職が10.1%だった一方、事業所側の都合による離職は1.1%で、コロナ禍前から変化はなかった。雇用調整助成金など雇用維持策が一定の効果をあげているとみられる。

産業別では入職・離職ともに宿泊・飲食サービス業が最も多かった。「もともと出入りの大きい職種」(同省)だがコロナ禍の打撃は大きく、特に入職率は前年から10ポイント減少している。

[日経電子版 2021年08月31日 掲載]

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