新型コロナウイルス下で経営環境が悪化している飲食やホテル、小売りから若手の人材流出が広がっている。人材サービス大手のエン・ジャパンによると2020年度のサービス・流通系職種からの転職者数は19年度比で2割増えた。営業職やIT(情報技術)系の技術職への転身が目立つ。
同社の転職サービス「AMBI」のデータを使い、20代半ば~30代前半の年収400万円以上の層を対象に分析した。サービス・流通系職種は販売員やホテルスタッフなどが含まれる。主な転職先の職種は営業職が49.1%と最も多かった。なかでもクラウド経由でソフトを提供する「SaaS」企業で、潜在顧客に電話などで営業する「インサイドセールス」や解約率を下げる「カスタマーサクセス」の募集が活況という。これらの職種では「(前職の)サービス業での経験を生かせる」(エン・ジャパン)。
コロナ下で産業のデジタル化が進むなか、ITや通信などの技術職は9.6%と19年度比で4.2ポイント伸びた。一方で同じ職種内の転職は12.3%と9.2ポイント低下した。
[日経電子版 2021年06月24日 掲載]