
三菱電機は20日、国内の全事業所を対象に2022年度から遠隔地勤務制度を導入すると発表した。勤務地の通勤圏外に住みながら、テレワーク中心で働けるようにする。介護や配偶者の転勤などの事情が生じても、退職したり家族と別居したりする必要がなくなる。多様な働き方ができる環境を整え、人材のつなぎ留めを狙う。
5月から試行を始め、21年度中に課題を洗い出す。テレワークが可能な従業員は、正社員と非正規社員を合わせ約3万人。育児や介護、配偶者の転勤などで引っ越すことになっても、制度を使えばこれまでと同様に働き続けられる。約1700人いる単身赴任者も、希望すれば遠隔勤務に切り替えて家族と一緒に暮らせるようになる。
共働き世帯が増えるなか、配偶者の転勤にともなって退社するケースが少なくない。これまでは休職制度や再雇用制度で対応していたが、遠隔勤務を選べばキャリアを中断せずにすむ。
富士通が同様の制度を導入するなど、テレワークを前提とした多様な働き方が徐々に広がっている。
[日経電子版 2021年05月20日 掲載]