中途採用10年ぶり伸び DX人材底上げ、ソニーGは2割増

本社調査、21年度16%増

ソニーは自ら車両までてがけ、半導体センサーの技術力を磨く
ソニーは自ら車両までてがけ、半導体センサーの技術力を磨く

企業の中途採用の意欲が高まっている。日本経済新聞社が18日まとめた採用計画調査(最終集計)では、主要企業の2021年度の中途採用が20年度比16%増え、10年ぶりの高い伸び率となる。新型コロナウイルス下でも人手不足の解消やデジタルトランスフォーメーション(DX)人材の底上げが不可欠なためだ。ソニーグループなど製造業で即戦力を採用する動きが広まる。

22年春の大卒の新卒採用計画は、10万4184人と21年春実績に比べ4.4%増える。高卒などを含む新卒の総合計は3%増の13万4542人。中途の5万2782人を加えると18万人超となる。全体に占める中途の割合は28.2%と、19年度の過去最高(28.3%)に迫る。

中途採用はリーマン・ショック後の09年度に29.6%減り、11年度に団塊世代の大量退職に備える形で16.2%増えた。その後も前年を上回り、新型コロナ下の20年度も9.9%増えた。

背景にはDX人材が不足するとの懸念がある。経済産業省は30年に最大79万人のIT(情報技術)人材が不足するとみる。企業は即戦力の専門人材を増やさないと生き残れないとの危機感が強い。大卒の新卒採用(4.4%増)よりも中途の伸び率が大きい。

中途採用の伸びが目立つのは製造業で、1万3415人と25.5%増え、伸び率は23.9ポイント上昇する。電機(49%増の6565人)が増える。

ソニーグループは300人と2割増やす。スマホや車に使う半導体画像センサーの人材を確保する。韓国サムスン電子との競争が厳しくなるなか、電気自動車(EV)を試作するなどしてセンサーの技術力を磨いている。NECは25%増の500人を見込む。NTTと次世代通信網で海外に打って出るため、AIやセキュリティーの即戦力を採る。

アイシンは電動化や自動運転などの「CASE」対応を急ぐ
アイシンは電動化や自動運転などの「CASE」対応を急ぐ

自動車・部品(27.3%増)や機械(18.3%増)も伸びる。アイシンは40人強と倍に増やす。つながる車などの「CASE」対応で、「車の電動化の専門知識を持つ即戦力が必要」という。ヤマハ発動機は二輪車の車両データを分析して故障警告を出すデジタル事業などを強化しており、3.2倍の100人を見込む。

非製造業では企業向けの技術者派遣も中途を増やす。UTグループは56%増の1万2000人の見通しで「半導体関連の需要が旺盛」という。

[日経電子版 2021年04月19日 掲載]

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