明治安田生命保険は2022年度から、営業職員の毎月の給与を全額固定給に切り替える。契約実績に応じて毎月変動させていた歩合給をなくし、毎月の収入を安定させることで人材の確保と定着を図る。新型コロナウイルスの感染拡大下では従来の対面による営業が難しくなり、収入の不安定さが浮き彫りになっていた。個々の成果は賞与に反映する。
生保業界全体では23万人の営業職員がおり、大型の契約や多くの顧客を獲得した優秀な職員の場合は歩合給が固定給を上回る。全額歩合給とする会社もある。処遇が安定せず、2年以内におよそ半数が離職してしまうことがコロナ禍前から問題となっていた。
明治安田生命は約3万6000人の営業職員を対象に歩合給部分を定額で支給する方式に切り替える。職位に応じて基本給を設定し、1年間の勤務態度や実績の評価を上乗せして決める。1人あたりの給与は従来と同水準を保つ。処遇の安定で定着率を引き上げ、デジタル技術などを活用した営業改革を進める。
成果には賞与を増やして報いることとし、賞与の回数は現在の年2回から4回に増やす。賞与も含めた給与の総額は増やす方向で調整している。21年度は新制度で職員を評価する移行期間とし、22年度から導入する。
[日経電子版 2021年02月12日 掲載]