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コロナ禍転職、最終面接落ちが続出 進む即戦力シフト

転職エージェント調査(1)

オンライン面接の普及は、採用の判断にも変化をもたらしつつある(写真はイメージ) =PIXTA
オンライン面接の普及は、採用の判断にも変化をもたらしつつある(写真はイメージ) =PIXTA

日経HRが転職エージェントを対象に実施した調査によると、2021年の中途採用の選考基準が「厳しくなる」との回答がおよそ7割にのぼった。20年の選考基準についても「厳しくなった」との回答が7割強を占め、なかでも最終面接のハードルが上がったことを指摘する声が目立った。今年の求人件数の予測については新型コロナウイルス禍の先行き見通し次第で見方が分かれたが、選考基準の厳格化が一段と進み、即戦力や専門人材を中心とした厳選採用が続くと予想するエージェントが多い。

同調査は日経HRが20年12月中旬に実施し、75人の転職エージェントから回答を得た。21年の中途採用の選考基準について聞いたところ、「非常に厳しくなる」(14.7%)と「少し厳しくなる」(52%)を合わせ、66.7%が「厳しくなる」と回答した。「変化なし」は28%、「少し緩くなる」は5.3%にとどまった(「非常に緩くなる」は0%)。選考基準の厳格化を予想する人が多い背景には、コロナで先行き不透明感が高まるなか、企業経営陣が人件費抑制の姿勢を崩さない影響があるとみられる。

2020年の採用基準についても約75%が「厳しくなった」と振り返った。特に「役員による最終面接で不採用となるケースが目立つようになった」(JACリクルートメント)、「従来は内定していた人が最終面接でNGになる」(A・ヒューマン)など最終面接の壁が厚くなったことを指摘する声が相次いだ。転職者にとっては最初の関門となる書類選考の通過が難しくなったことを挙げるエージェントもいた。潜在性に期待する「ポテンシャル採用」が減少し、即戦力や専門人材に絞って採用する動きが広がっている、との声も多く聞かれた。

自由回答

【非常に厳しくなった】
・最終面接の通過基準が非常に厳しくなった
・「未経験」「ポテンシャル」という要件がなくなり、即戦力の案件が増えた
・より即戦力を求めるようになり、書類通過率の低下、若年層案件の減少が目立った
・採用意欲は高いものの、経験値のストライクゾーンでなければ、何度でも不採用となることが増えた
・書類選考通過率が低くなった。加えて内定の可否について判断基準が厳しくなった。本当にコストをかけて取るべき人材かシビアに判断するようになった

【少し厳しくなった】
・役員による最終面接で不採用となるケースが目立つようになった
・最終面接でのNGが増えた
・スキル、人物面、親和性の高さがそろわないと採用に至らない
・コロナ前では内定が出ていたような人が書類審査で見送りになるケースが多発した
・採用に関して慎重になっており、よほどフィットしないと採用に至らない。 書類審査段階で通過率が下がった
・ウェブ面接に切り替わり、よりコミュニケーション能力が問われることになった
・画面越しでの判断となるため、よりスキルや業界知見に関する即戦力性を重視する印象

コロナ禍で「求人企業の採用意欲ダウン」が55%

コロナ禍が転職市場に与えた影響に関しては、「悪い影響を少し受けた」が40%、「悪い影響を大きく受けた」が41.3%とマイナスの影響を受けたとの回答が8割強に達した。背景には、企業側の求人需要の減少がある。「求人件数がどう変化したか」について、「少し減った」(30.7%)と「大幅に減った」(26.7%)の合計で約57%に達した。「変わらない」は9.3%、「少し増えた」と「大幅に増えた」で10.6%だった。

「求人企業の採用意欲がどう変化したか」との質問では、「少し落ちた」(34.7%)と「大幅に落ちた」(20%)をあわせて約55%に達した。「落ちたが元に戻った」が24%、「変わらない」は9.3%、「少し高まった」が12%、「大幅に高まった」を選んだ人はいなかった。「コロナによる業績不振で採用計画を縮小せざるを得ない」(プロフェッショナルネットワーク)や「先行き不透明感から欠員での最低限の補充か、よほど良い人材でないと採用に至らないケースが増えた」(ダンネット)、「業積の悪化で採用を慎重に検討している」「あえて中途求人を増やす時期ではないと考えている」など採用意欲の低下を実感したエージェントが多い半面、「コロナで増えた転職希望者をしっかり採用しようとした」という声も出ていた。

実際、ビジネスパーソンの転職意欲については「落ちた」が優勢だった企業側の採用意欲と異なり、「少し高まった」(30.7%)と「大幅に高まった」(4%)で約35%、「少し落ちた」(28.0%)と「大幅に落ちた」(8%)で36%と二極化したようだ。「高まった」と回答したエージェントのうち、約半数が理由として、現在の会社や業界への将来不安をあげた。残りの半数では「在宅勤務することで転職サイトを見る時間が増え、自身の望む働き方を考えるようになった」(JACリクルートメント)など、在宅勤務の拡大に代表される働き方の変化が転職へのスタンスに影響した、との見方が大半を占めた。一方、「転職意欲が落ちた」と回答した人からは「コロナ後に景気回復するまで様子を見たいと考える人が増えた」(パソナ)、「条件の良い転職先がない」「今が買い手市場だと感じ、勝ち目がない市場に出てこない」との見方があった。

(日経転職版・編集部 宮下奈緒子)

[NIKKEI STYLE 出世ナビ 2021年01月23日 掲載]

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