大企業の採用増で税優遇 政府・与党「氷河期」回避へ

政府・与党は大企業の採用を促進する税優遇措置を2021年度に導入する。新卒や中途の新規採用者に支払う給与支給額が前年度より一定額増えた企業に支払額の15%を税額控除する。新型コロナウイルスによる採用減で若年層の雇用環境が「氷河期」に陥らないよう税制で手当てする。

18年度に導入した大企業に賃上げを促す現在の法人税減税の仕組みを抜本的に改める。コロナ禍で賃上げしにくい企業が増えているため、制度の軸足を賃上げから雇用下支えに移す。

税優遇を受けるには新卒や中途の新規採用者に対する給与の支給額を前年度より増やすことを条件にする。要件を満たせば支給額の15%を法人税から差し引く。

プログラミングや人工知能(AI)に関する社員研修など人材投資を前年度より増やした場合は控除率を5%上乗せし、採用者の給与総額の20%分を減税する。

2年間の時限措置を想定する。支給額や教育訓練費がどの程度増えれば税制優遇を受けられるかの基準は財務省と経済産業省で詰める。12月上旬をメドにまとめる与党税制改正大綱に反映する。

現行の賃上げ税制は大企業が給与支払額を前年度から3%以上増やすなどを条件に、前年度より増えた部分の15%を法人税から差し引く。この税制は廃止する。

コロナ禍で企業体力が低下し、雇用が悪化する懸念が強まる。日本経済新聞社が10月18日にまとめた21年度の採用状況調査で主要企業の大卒採用の内定者数(21年春入社)は、20年春入社数と比べ11%減った。2桁減はリーマン・ショック後の10年度以来11年ぶりだ。

若年層の採用抑制が広がれば中長期的にも日本経済に下押し圧力がかかる。少子化にもつながった。

90年代から00年代にかけて新卒採用が抑えられ非正規社員が増えた就職氷河期の再来を防ぐため、政府は減税により企業が採用に前向きに取り組む環境をつくる。

[日経電子版 2020年11月28日 掲載]

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