トレンドマイクロ サイバー人材8万人育成

サイバーセキュリティー大手のトレンドマイクロは、高度な攻撃に対応できる人材を育成するビジネスに本格的に乗り出す。実際に起こった攻撃をもとにした教育プログラムを企業向けに開発。教育専門組織を1月に立ち上げ、3年で8万人育成を目標とする。サイバー攻撃の被害が相次ぐ中、企業内の人材育成の需要が高まるとみて、研修事業の拡張を目指す。

企業の経営幹部やセキュリティー担当者、事業部門の一般社員といったレベルごとに研修を実施する。例えば幹部向けでは、国が背後で支援するような犯罪組織による攻撃の最新の手口などを伝える。セキュリティー担当者には、具体的な手口に踏み込んだ実践型の技術演習などを提供する。

サービスの展開にあたっては、研修事業を手掛けるパートナー企業や、大学など10以上の教育機関と連携する。国家支援型のサイバー攻撃に特化した研修はあるものの、様々な役職ごとに研修を体系化して提供するのは珍しいという。

政治的な緊張を背景に、近年は国家の支援が疑われる犯罪組織の高度なサイバー攻撃が目立つ。米マイクロソフトが9月に発行したリポートによると、国家の支援が疑われる攻撃は過去2年間に1万3000件以上あった。18年末には中国の関与が疑われる「APT10」と呼ばれる犯罪者集団を日本や米国などの政府が一斉に批判した。

16年の経済産業省の調査によると20年時点でセキュリティー人材は約19.3万人不足すると予測していたが、足元でも状況は大きく変わらないとされる。顧客企業の間で一定の知識を習得するニーズが高まっていると判断し、新組織の設置を決定。約50人の体制で立ち上げることにした。

[日経電子版 2020年11月22日 掲載]

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