賞与の差、課長級で2倍 三井住友海上でジョブ型導入

三井住友海上火災保険は21年からジョブ型の働き方を取り入れる
三井住友海上火災保険は21年からジョブ型の働き方を取り入れる

三井住友海上火災保険は2021年からジョブ型の働き方を取り入れる。上司が社員1人ずつにジョブディスクリプション(職務定義書)を定め、成果を報酬に反映する。賞与の成果反映部分に差をつけることで、生活給も含めた金額の差は同クラスで2倍に広がる。サービスや業務のデジタル化を進めるなか、旧来型の仕組みでは人材の確保が難しいと判断した。

資産運用、データサイエンティスト、保険数理などの専門職は22年4月から完全ジョブ型雇用を導入する。在籍年数にとらわれずに年俸を設定し、中途採用を強化する。

専門職以外の社員では21年4月から人事制度が成果重視になる。上司が期待する行動や成果を明示し、本人と合意した上で考課の基準とする。

年俸制への完全な切り替えは影響が大きいと判断し、当面は配置や報酬の算定で勤続年数も評価する。現状は賞与の3割が成果反映部分だ。新制度では最上位と最下位の評価が最大10倍開く。30歳代後半の課長の場合、最下位が20万円で最上位は200万円。賞与の総額は約2倍の差が出る。

成果反映部分は評価が6段階あっても中央の3段階しか使っていなかった。ジョブを定義し評価を明確にし、6段階すべてを活用する。

ジョブ型雇用はKDDIや日立製作所などが導入する。年功要素が残る金融業界でも、成果重視に切り替える動きが出てきた。

[日経電子版 2020年11月03日 掲載]

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