異業種に転職する人が減っている。総務省の労働力調査から推計すると、4~9月は1394万人と前年同期比87万人減った。新型コロナウイルス禍で人員が過剰な業種と足りない業種の差が広がっているが、雇用の維持を狙った手厚い雇用調整助成金が移動を阻んでいる面がある。
労働力調査では対象者に現在と前月の職業を聞き、全国の人数を推計する。8月から9月にかけ勤め先の業種が変わった人は212万人と前年同月より36万人少ない。
卸売・小売業から異業種に移った人が28万人で10万人減、製造業からは20万人で4万人減った。移動先別では卸売・小売業に移動した人が38万人で4万人減、宿泊・飲食サービス業は16万人から7万人に減った。
[日経電子版 2020年11月07日 掲載]