女性取締役22%増 上場企業、社外出身けん引 生え抜き起用は低調

上場企業で女性取締役の増加ペースが速まっている。東京証券取引所1部上場企業に在任する女性取締役は1354人と1年前に比べ22%増えた。社外出身の女性取締役が26%(233人)増えたのが主因。

取締役会による経営陣の監督強化を目指す企業統治(コーポレートガバナンス)改革を背景に、社外の優秀な女性人材を迎える動きが広がっている。一方で、女性の社内取締役は10人増にとどまっている。

ガバナンス助言会社のプロネッド(東京・港)が7月1日時点で1部上場の約2170社を集計した。女性取締役のうち社外出身は1123人と8割を占め、231人の社内出身者を大きく上回った。全取締役に占める女性比率は7.1%と1.4ポイントアップした。

10年前は100人に満たなかった女性社外取締役が1000人を超えるのは初めて。社外取締役に占める女性比率は17%と2.5ポイント上昇した。

企業が多様性を重視するのは投資家の圧力が高まっているため。投資家への影響力が大きい米議決権行使助言会社のグラスルイスは、女性取締役のいない会社のトップ選任に反対する方針を今年から本格的に適用し始め、3月期決算の上場企業を中心に一気に導入が進んだ。女性の社外取締役が最も多いのはソニー、三菱自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループの各4人。三菱UFJは昨年の3人から1人増員し、取締役の4人に1人を女性が占める。

女性社外取締役が複数いる企業も171社と1年前の107社から大幅に増えた。電力会社や重工業などこれまで女性の起用に比較的消極的だった重厚長大企業での選任が目立つ。

ただ生え抜きの取締役起用は低調だ。女性登用に積極的なのは中堅・中小の上場企業。売上高1兆円超の大企業で今年から女性の社内取締役を誕生させたのは、LIXILグループ、資生堂、リクルートホールディングスなど一部にとどまる。

プロネッドの酒井功社長は「中堅・中小企業では女性を抜てきしやすいが、大企業ではそれなりの実績や納得感が必要。社内の女性が取締役になるのは依然ハードルが高く、社外の女性が当面は先行する」とみている。

[日経電子版 2020年09月05日 掲載]

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