「失敗体験」を聞かせてほしいと面接で言われることがあります。「成功体験」ならまだ分かります。もちろん失敗は数々ありますが、面接担当者が本当に知りたいことは何なのでしょうか(37歳・男性)
「失敗をどう乗り越えるか」を見るため
面接担当者は「失敗そのものを知りたい」わけではなく、知りたいのは失敗の後の話です。誰しも失敗は経験します。しかし、その時に何を考えて、どのようなアクションを起こし、どう乗り越えたのか。そこに、それぞれの人の実力が表れます。面接担当者は、ある問題が起こったときの行動特性や問題解決能力を失敗というキーワードから探ろうとしているのです。
ですから、話すのは「失敗体験を用いた自己アピール」であるべきです。例えば「スケジュールが大幅に遅れた」「上司を頼ることになったが、作業効率化のノウハウを吸収できた」「その結果、クライアントの信頼を取り戻した」といったように答えてみましょう。
さらにいえば、ビジネス上の「チャレンジしたが失敗した」例を出せるとベター。業務における積極性をアピールできます。逆に避けたいのは、「法律に抵触した」「コンプライアンス上、不適切な行いをした」といったもの。これは誰もが経験する失敗だといって見過ごされません。
また「あなたの短所は?」という質問をしてくる面接担当者もいます。失敗体験を話すときと同様に、事実だけを伝えても意味がありません。
話す内容は、短所をどのように認識して、仕事に支障がないように努力をしているかどうか。一例を挙げると、営業職としてはときにマイナス要素となる「引っ込み思案」は、「慎重である」とも言い換えられます。
「私はきちんと準備をしてから動くタイプです」「顧客に対して誠実に対応するため信頼をしていただき、付き合いが長く続く営業スタイルです」。こんなふうに話せば、短所も自己アピールの材料として使うことができます。自分の短所はどのように言い換えれば長所になるのかを考えてから面接に臨むようにしましょう。