前職を退職したのは上司のパワハラが原因です。面接の場で転職理由を聞かれたら、正直に答えるべきでしょうか(26歳・男性)
話さないで済むなら話さないほうが無難
パワハラで前職を辞めたことは、もし話さないで済むなら話さない方がいいでしょう。あくまで「自分はこんなスキルや経験を積み、御社のためにこんな貢献ができる」といった前向きな自己アピールに努めてください。しかし、面接担当者から「なんで転職するのですか?」と聞かれるケースがあると思います。パワハラについて触れるのはそういった質問をされたときです。
回答での注意点は、起きた事実を冷静に、客観的に説明すること。人間関係のトラブルはどの職場にも多かれ少なかれあるもので、万人が自分と同じように理解してくれるとは限りません。加えて、パワハラを解消するために自分がどのような努力をしたのか、上司や会社にどんな働きかけをしたかも説明します。
面接担当者に「なるほど、それは確かにパワハラですね」「退職するのも無理はない」と納得してもらうだけの材料を提供するのです。その上で、今後同じような事態に陥らないよう「自分にもこんな問題があったかもしれないので、次はこんな対処をしようと思います」などと、考えを整理しておくとよいでしょう。
また、何をもってパワハラとするのか、実は判断が難しいところがあります。当事者はパワハラだと思い込み苦しんでいても、面接担当者には「どの職場にもよくある人間関係のトラブル」に映ってしまうかもしれません。あるいは「誰が悪いのか」の判断さえ簡単ではありません。
友人や家族は求職者の味方をしてくれることが多い一方で、会社に相談すると上司のほうの肩を持つかもしれません。そう考えると、「あれは本当にパワハラだったのか」、自分の考えを整理するためにも、事前に人材紹介会社のような第三者の意見を聞いてみることが1つの方法です。