自分の不得意なことに対して「できますか?」と尋ねられたとき、はっきり「できません」と言ってしまうと印象が悪くなってしまうでしょうか。「できます」と明言までしなくても、できるようなニュアンスを伝えたほうがいいですか(28歳 女性)
「できないこと」から「できること」へ結びつける
自分のできないことを要求される場合は、はっきりと「できない」ことを伝えましょう。できないのに「できる」と言ってしまっては、うそをついたことになりますし、仮に採用された場合、本当にできなければ試用期間中に解雇されてしまうことも十分にあり得ます。
ただ、「できません」とひと言で終わっては元も子もありません。「それはできないけれども、それに近いこと(または別のこんなこと)はできる」というように、自分にできることをアピールすることが大切です。その仕事が直接は未経験でも、これまでの知識や経験で補えるというのであれば、その点を重点的に説明し、相手を納得させるべきです。
面接とは、自分という「商品」をいかに売り込むか。短い時間の中で、自分の特徴をきちんと伝え、相手を説得するネゴシエーションの能力が必要です。
こういったケースで、よく「がんばります」という趣旨の発言をする方がいますが、企業は即戦力が欲しいのです。要求される10の要件のうち1ぐらいが不足しているならそれからの努力で埋め合わせすることも可能でしょうが、2~3ぐらいの要件しか持ち合わせていないなら、その努力の成果を待つより、すぐに発揮できる他の人材を採用したほうが企業にとっては得です。
また回答しにくい質問の別の例として、同業他社との比較を求められることがあります。だからといって、その会社のダメな部分をズバリと言い切ってしまうと、採用担当者も人間ですからショックを受けたり、印象を悪く受け取ってしまうことがあります。こういった質問は、情報処理能力や業界知識、企業研究の深さなどを確認する意図があるので、問題点を印象が悪くならない程度に指摘しつつ、どうすれば良くなるか、自分がどう貢献できるかを説明するといいでしょう。