私は男性ですが、育児休暇をしっかり取りたいと考えています。それが無理ならその企業への転職も諦めたいと思うのですが、面接の場で聞いてもよいものでしょうか(31歳・男性)
あえて自分から言い出す必要はありません
採用過程において、「育児休暇を取りたい」と自分からあえて企業に伝える必要はないでしょう。面接は、まずその人の経験や能力、仕事に対する価値観を見るためのものです。もちろん育児休暇の取得は誰にでも認められた権利ではありますが、面接は権利の主張をするための場ではないのです。
育児休暇制度が整っていても、制度の活用が進んでいない職場があるのは事実。もしどうしても事前に状況を確認したいのであれば、「ぜひ制度を利用したい」と自らの権利を最初に主張するのではなく、最後のオファー面談などで制度があるか、実際に社員の方がどう利用しているかなどの状況を確認するのがいいでしょう。
自分のライフスタイルとして、育児休暇を取れない会社では働きたくない、という考えをお持ちなら、そのライフスタイルに合った会社を選べばいいだけ。会社の都合にあわせて育児休暇を断念する必要はまったくありません。しかし、その判断をするための情報を得るのは面接の場ではない、ということを忘れないでください。
また、女性の求職者の方であっても、自分から「いずれは育児休暇を取りたい」などと一方的に申し出るのは誤解を生む可能性があります。面接の流れの中で結婚などのライフスタイルに関する話になったタイミングで、社内の女性社員の比率や、女性社員はどう働いているのか、また、育児休暇を取る人はどれぐらいいるかなどを質問してみましょう。
その際も「育児休暇を取りたい」という権利を主張するのではなく、「会社のことをもっと詳しく知りたい」という姿勢で聞くことで、相手に誠意が伝わり、双方のコミュニケーションがより円滑になると思います。