大学を卒業し、現在まで新卒で入社した専門商社で働いています。入社当初から「30歳までには結果を残し、もっと『良い会社』に転職をしたい」と思い、必死に頑張ってきました。1年目から常に営業予算を達成し、同期の中でもトップの成績をキープしています。この会社でやり残すことはないと思い、転職をしたいと考えています。ですが景気の先行きが不透明ななか、キャリアアップを目指す「良い会社」への転職は可能なのでしょうか。(28歳・男性)
どのような状況下でも、優秀な人材に対する需要はあります。
転職の売り手市場では良い人材の確保が難しいと感じていた企業が、転職市場の停滞期に中途採用に乗り出すこともあります。全体の求人件数が頭打ちなとき、積極的な中途採用を実施する企業が多くあることも事実です。
求職者の属性にも変化があります。転職市場が活況なときには求職者側の転職意欲が高く、それゆえに過度な競争も起こっていました。私たち人材紹介会社のような仕事を斡旋する側にも責任はあると思いますが、様々なメディアなどでも転職を推奨しており、ある意味、「転職をしないと損をするのではないか」という意識を持った転職希望者が多くいました。
最後に、質問者の方に問いたいのは、あなたにとっての「良い会社」とは、どのような会社ですか? 大手企業ですか?有名企業ですか?年収が高い企業ですか?
転職という行為を目的とした転職活動はしないほうがいいでしょう。転職する際には、明確な目的が必要です。自分自身のやりたいことを明確にし、その目標を達成するために転職することをお勧めします。
まずは、あなたの思っているもっと「良い会社」に入る目的、また入社後にやってみたいことを明確にしてください。もしそのような目標があり、それに対して前向きに取り組むことができるのであれば、この市況下でも、有意義な転職活動ができるのではないでしょうか。逆に、明確な目的が見つからないのであれば、現職にとどまるというのも一つの選択肢です。